展覧会・イベントExhibition & Event

過去のコレクション展

瀧口修造コレクションⅢ

2023年11月2日(木)~2024年2月6日(火)

瀧口修造生誕120年記念展示
ウィルソン・リンカーン・システムとしての<本>

 詩人、展覧会のオーガナイザー、美術評論家、造形作家と多様な活動を繰り広げた瀧口修造(1903 ー1979)は、通称「手づくり本(handmade brochure)」と呼ばれる不可思議な本を制作しています。それらは出版社や印刷所のプロセスを経ていない、瀧口自身の手仕事による本であり、雑誌の切り抜き、銀紙、ラベル・シール、手書きのメモ等、いわゆる断片の寄せ集めによって構成され、完成されているようにも、未完成であるようにも見える本です。「永遠に綴じられず、丁づけされない本」を志向していた瀧口にとって、本が仮設的な状態にあることはとても重要なことだったと考えられます。
 ウィルソン・リンカーン・システムとは、左から見るとウィルソン大統領が、右から見るとリンカーン大統領が見えるといった、左右それぞれから見ると別の顔が浮かび上がる二重の肖像画に似た仕組みであり、瀧口修造による『マルセル・デュシャン語録』にもデュシャンの用いた言葉として登場します。
 本展では、書店を中心に流通する一般的な本と「手づくり本」とを対極的存在として措定し、その間で揺れ動く存在として瀧口の『マルセル・デュシャン語録』(1968 年)を位置づけます。ウィルソン・リンカーン・システムを想起させるような、双極の間に現れる多重なイメージを持った本である『マルセル・デュシャン語録』を通して、瀧口がどのように「本」と制作を捉えていたのか、さらには「本」とは何かについて考えます。

展覧会情報

会期 2023年11月2日(木)~2024年2月6日(火)
開館時間 9:30〜18:00(入館は17:30まで)
休館日 毎週水曜日 (1月3日は開館)、12月30日(土)~1月2日(火)
観覧料 一般:300円(240円)
  • ( )内は20名以上の団体料金。
  • コレクション展(展示室1)、デザインコレクション展(展示室5、6)共通チケットです。
  • 企画展入場当日に限り、企画展チケットにてご覧いただけます。
  • 次の方は、企画展・コレクション展とも観覧無料
    ①児童、生徒(小・中学生、高校生など)
    ②学校教育、社会教育活動としての児童・生徒の引率者(観覧料免除申込書が必要です)
    ③各種手帳をお持ちの障害者の方の観覧(付き添いは手帳をお持ちの方1人につき1名まで無料)
    ※「金曜ロードショーとジブリ展」は日時指定予約制です。詳しくはこちら
  • 70歳以上および大学生以下の方は、コレクション展が観覧無料。
  • チケットはオンラインでもご購入いただけます。
場所 富山県美術館3階 展示室6
主催 富山県美術館、慶應義塾大学アート・センター