展覧会・イベントExhibition & Event
開催中のコレクション展
瀧口修造コレクションⅢ
9月25日(金)~12月28日(月)

瀧口修造と分身あるいは影像
今期の展示は、瀧口修造の生誕120年を機に、2023年から当館コレクション展の一環として、瀧口旧蔵の資料を分有する慶應義塾大学アート・センターと毎年開催してきた共同企画展の第4回目です。
詩人、美術評論家の瀧口修造は、1960年頃から通称「手づくり本」と呼ばれる本を作っていました。出版社や印刷所のプロセスを経ていない、瀧口自身の手仕事によるそれらは、ドローイング、雑誌の切り抜き、印刷物のコピー、銀紙、ラベル・シール、手書きのメモ等、いわゆる断片の寄せ集めによって構成され、完成にも、未完成にも見える本です。
本展では、吸取紙を用いた2冊の「手づくり本」『マティアス・グリューネヴァルトの失われた日記、または画家のハンドブック』『吸取紙とは何ものかである、等々…』、およびデカルコマニーによる連作「私の心臓は時を刻む」中の20点《マチアス・グリューネウァルトの幽霊》に焦点を当てます。
吸取紙は、絵具やインクの余分な水分を吸い取り、水彩画などにおいてはにじみを抑えたり、色の濃度を調整する等の用途で用いられます。
デカルコマニーは、18世紀に開発された転写技法で、絵具などのメディウムを表面に塗り拡げ、まだ乾いていないうちに紙などの素材を当て、それをはがすと画面が転写されるものです。この技法はシュルレアリストらによって、偶発的なイメージを生み出す手法として用いられました。
このように、吸取紙もデカルコマニーも、本体から写し取られた「影」=「分身」として生まれます。瀧口における「影像」という概念を考えるための糸口として、これら一連の作品を紹介します。
※11月12日(木曜日)から「手づくり本」の場面替えを行います。









