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プログラム実施報告

どこでもTADワークショップ動画「つくろう!クルクルアニメーション」 関連企画
ワークショップ「つくろう!クルクルアニメーション」

2020/12/12

どこでもTADワークショップ動画「つくろう!クルクルアニメーション」関連企画
ワークショップ「つくろう!クルクルアニメーション」
実施日:2020年11月21日(土)、22日(日)
時 間:両日とも14:00~16:00
場 所:ラボ(アトリエ内)
講 師:蓮沼昌宏さん
アシスタント:蓮沼菜穂子さん
参加者数:1日目:5組10名/2日目:5組10名(事前申込)
対 象:1日目:県内在住の小学校1~4年生/2日目:県内在住の小学5年生~おとな
参加費:無料
材 料:1L牛乳パックの空き容器、A4コピー用紙(コマの用紙:16等分にカットしたもの(約74×52mm/枚)、フィルム用の紙:縦長で4等分にカットしたもの(約297×52mm/枚))、紙筒、ボール紙、割りばし、輪ゴム
〔2日目のみ〕段ボール箱(260×300×110mm)、アルミホイル、下敷き(A4サイズ、透明)
道 具:はさみ、のり、ボールペン、鉛筆、消しゴム、水性ペン、ポスカ、定規、透明テープ
〔1日目のみ〕ライトボックス
〔2日目のみ〕段ボールカッター、ペンライト、マスキングテープ
撮 影:柳平良平さん(1日目のみ)
概 要:両日とも、同名の配信動画で紹介されている、牛乳パックを使ったパラパラアニメーションの装置とフィルムを制作しました。1日目と2日目では難易度に違いがあり、コマを描く際に1日目はライトボックスを使用し、2日目はライトボックスを制作するところから参加者に挑戦してもらいました。
※配信動画:どこでもTADワークショップ動画「つくろう!クルクルアニメーション」(YouTube)

講師紹介
蓮沼昌宏(はすぬま・まさひろ)(画家・記録写真家)
1981年東京都生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科美術解剖学研究室博士課程修了。現在、愛知県を拠点に活動。イメージの自律性、夢の不思議さに関心を持ち、19世紀後半に考案された、パラパラ漫画(フリップ・ブック)の原理で絵が動く装置「キノーラ」によるアニメーションを中心に、写真、絵画を制作する。富山県美術館では、2019年度アーティスト@TAD招待アーティストとして、富山での滞在制作ならびに展示「物語の、準備に、備える。」を行った。


活動のながれ
①アニメーションについて

まずは講師の蓮沼さんから、アニメーションの魅力や今回制作する作品のイメージについて、配信動画を参考にお話しいただきました。蓮沼さんは配信動画の制作にあたって、身近なものでできるアニメーションの装置を試行錯誤されたとのこと。動かし方やスピードなどなかなか条件がそろわず難航したそうで、NGカットも紹介しながら、アニメーションの複雑さ、奥深さを教えてくださいました。


②アニメーション装置をつくろう

今回制作するのは、自身で手に持って、絵を描いた紙のフィルムを回転させて楽しむ、セルフアニメーションの装置です。フィルムを入れる装置は牛乳パックの空き容器でできています。アシスタントの菜穂子さんの説明に沿って、牛乳パックの空き容器に定規を使って線を書き入れ、はさみで切れ込みを入れて作ります。


②’ ライトボックスをつくろう(二日目)

連続した静止画が動いてみえるための重要な条件は、それぞれのコマがその前のコマと「似ているけれど少しだけ違う」こと。前のコマを書き写しながら、少しずつ変化を描き加えていく際に、ライトボックスという装置を使うと、光の透過によって簡単に前のコマを写し描きできます。1日目は既成のライトボックスを使用しましたが、2日目はライトボックスも段ボール箱を用いて制作しました。箱の上面にフィルム1枚分の大きさの穴、側面にペンライトの直径分の穴を1つ開け、中にアルミホイルを敷いたら出来上がり。側面の穴からペンライトの光を入れると中のアルミホイルによって光が上方に反射するため、既成のライトボックスと同様の原理を再現できます。


③コマを描こう

今回のアニメーションのテーマは「穴から登場」で、コマ数は16コマ以上。物語の展開は最初に決めても、コマを描きながら考えてもOKです。まず下書き用紙にアイデアやイメージをまとめてから、コマの用紙に鉛筆でひとつずつ描き始めます。1コマずつゆっくり構想してから一気に清書する方、全体像だけまとめたら清書する方、はじめから清書を描く方と、進め方もさまざま。動きのイメージをつかむために、実際に自分のからだを動かしながら描く方もいました。終盤で時間が迫ってくると、コマ絵描きと色塗りを分業して効率良く制作される親子もいらっしゃいました。


④フィルムをつくろう

全て描き終わったら、縦長の紙に各コマを一つずつ順番にのり付けし、最初と最後のコマを輪になるようにつなぎ合わせます。最後にフィルムの軸を輪に通したら出来上がり。軸は紙筒に割りばしを通したもので、表面にはすべり止めの輪ゴムが巻き付けてあります。フィルムを牛乳パックの装置に設置して、軸の割りばしをゆっくりくるくると回すとパラパラとコマがめくれてアニメーションを楽しむことができます。


⑤撮影&鑑賞会

フィルムがうまく回転するようになったら、蓮沼さんにパラパラアニメーションの動画撮影をしてもらいます。全員分の撮影が終わったら、スクリーンに映してそれぞれの作品をみんなで鑑賞しました。穴からキャラクターが現れたり、穴が増えたり、穴自体が生き物だったりと、どれもオリジナリティあふれる面白い作品で蓮沼さんも参加者もびっくり。短い時間ながらも、制作から鑑賞まで目一杯楽しめるワークショップとなりました。


制作風景