展覧会・イベントExhibition & Event
開催中のコレクション展
瀧口修造コレクションⅠ
4月17日(木)~7月21日(月・祝)

瀧口修造とタケミヤ画廊の作家たち
1951年、東京神田、駿河台下(現在の東京都千代田区神田小川町)に戦前からあった竹見屋洋画材店が再建されました。店舗の大部分を改装し、展示スペースも新設され、タケミヤ画廊が誕生したのです。
店主の筧正人は、作家たちに無償で発表の場を提供するという構想のもと、鶴岡政男、阿部展也らの推薦により、瀧口修造に展示作家の選考と交渉の一切を依頼し、始まりの1951年6月から1957年4月の閉廊まで、208回の個展・グループ展が開催されました。
タケミヤ画廊が始動した1950年代初頭、作家たちの作品発表の場は公募団体や所属の美術団体を通しての展示が主流でした。その一方、1949年からは無賞・無審査による読売アンデパンダン展が開催され、既成の枠組みにとらわれない作家が登場します。団体展よりも個展での発表を重視すべきと考えていた瀧口にとって、タケミヤ画廊は、作家たちが生み出す新しい表現の実験的な場であり、発生の現場に立ち会うことのできた重要な場だったといえるでしょう。
瀧口は、タケミヤ画廊において、有名無名にかかわらず、真摯に作家と向き合い無償でプロデュースを引き受けました。自身の目で作品を選び、作家と語り合い、テキストも執筆しました。当初は阿部展也(芳文)、浜田浜雄、瑛九、難波田龍起、鶴岡政男など、戦前から活躍している作家の個展が中心でしたが、その後は、瀧口自身が命名者となった若手表現者の集団「実験工房」や無名の若手であった靉嘔、池田龍雄、河原温、加納光於、草間彌生、野見山暁治など、後の日本の美術を牽引する作家たちが名を連ねています。
タケミヤ画廊での活動を通して出会った作家たちとの交流は、タケミヤ画廊の閉廊後、1960年代以降、瀧口が批評活動の第一線から退き、デカルコマニーなど造形作品の制作が活動の中心になってからは、それぞれの展覧会において、言葉を贈ったり、時には共同で作品を制作したりと、表現の本質を探るようにかたちを変えて、晩年まで続きました。
本展では、瀧口修造コレクションよりタケミヤ画廊の出品作家の作品をご紹介します。また令和6年度の新収蔵品である瀧口修造と阿部展也(芳文)による詩画集《妖精の距離》を特別展示します。
展覧会情報
会期 | 4月17日(木)~7月21日(月・祝) |
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開館時間 | 9:30〜18:00(入館は17:30まで) |
休館日 | 毎週水曜日(ただし4月30日は開館) |
観覧料 |
一般:300円(240円)
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場所 | 富山県美術館3階 展示室6 |
主催 | 富山県美術館 |