展覧会・イベントExhibition & Event
開催中のコレクション展
デザインコレクションⅡ
7月24日(木)~10月7日(火)

ヒロシマ・アピールズ 1983-2025
「ヒロシマ・アピールズ」は、人類最初の原爆の惨禍を体験した街、広島の祈りと願いを、言葉を超えて広く訴えていくポスターのシリーズです。JAGDA(日本グラフィックデザイナー協会。現在の日本グラフィックデザイン協会)広島地区、および一般財団法人広島国際文化財団、公益財団法人ヒロシマ平和創造基金の主催により、1983年の第1回以降、毎年1名の指名されたデザイナーがポスターを制作、発表しています。
第1回の「ヒロシマ・アピールズ」から遡る時代、デザイナーたちの中では商業目的だけではないポスターの役割を模索する動きが生まれていました。1960年代には安保闘争、1970年代には豊かさの代償としての公害問題やオイルショックとの対峙などの社会の状況に対して、問いを投げるポスターが数多く生まれています。そして経済が活況に向かう中で生まれた「ヒロシマ・アピールズ」は、デザイナーが中立的な立場から「ヒロシマ」を通じて世界に平和を訴える事業として、JAGDA広島地区会員の要望、広島国際文化財団の申し出を受け、構想されました。
1983年、第1回の「ヒロシマ・アピールズ」ポスターは、当時JAGDA会長を務めていた亀倉雄策が手がけました。広島の側からこの事業に参画した人々からは、悲惨な光景ではない美しい表現を通して、原爆の恐ろしさや抗議の姿勢を伝えることを求められたといいます。これに応えて、亀倉が選んだのは、自由に舞う蝶たちが燃え落ちるイメージでした。横山明に依頼した緻密で幻想的なイラストレーションの上に「HIROSHIMA APPEALS」の文字を掲げたポスターは、蝶たちの美しい光景が一変する瞬間をドラマチックに提示することによって、戦争の愚かさを伝えています。
今回の展示では、当館のポスター・コレクションから、争いへの抵抗や平和への願いをテーマとしたポスターも併せて紹介します。
展覧会情報
会期 | 7月24日(木)~10月7日(火) |
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開館時間 | 9:30〜18:00(入館は17:30まで) |
休館日 | 毎週水曜日(ただし8月13日は開館) |
観覧料 |
一般:300円(240円)
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場所 | 富山県美術館3階 展示室5 |
主催 | 富山県美術館 |