友の会TAD Friendship

活動報告

アートツーリズム2025 岐阜現代美術館「桃紅館」・愛知県美術館を巡る日帰り旅

2025/07/16

2025年7月16日(水)に、友の会恒例の「アートツーリズム2025 日帰り旅行」 を実施しました。

 



岐阜現代美術館

篠田桃紅  玄 - 墨いろ


早朝に観光バスで富山を出発し、岐阜現代美術館「桃紅館」に向かいました。 この美術館は2024年3月28日に開館したばかりの新施設で、篠田桃紅の作品を1000点以上所蔵しています。館内は1階に展示室、2階には桃紅のアトリエを忠実に移設・再現した空間があります。
当日は、篠田桃紅の生涯や芸術への姿勢、墨との向き合い方、抽象表現の追求などについて、学芸員の熱のこもった解説を伺うことができました。とくに《玄》《薔薇》《習作》は、非常に印象深く、心に残る作品でした。
短い滞在時間の中でも、美術館の空間と作品の力に引き込まれ、もっとじっくり鑑賞したいという気持ちを抱えながら、昼食会場へと移動しました。


 

 

 



昼食

トラットリア&ピッツェリア カノビアーノ


名古屋観光ホテル1階のイタリアンレストラン「トラットリア&ピッツェリア カノビアーノ」にて昼食をとりました。
和牛のポロネーゼにパルミジャーノチーズをたっぷり添えたパスタランチは、本格的な味わいで心も身体も温まりました。食後には心地よい余韻に包まれながら、次の目的地である愛知県美術館へと移動しました。


 

 

 



愛知県美術館

・近代日本画のトップランナー 竹内栖鳳展
・特別展示 フランス・オービュッソンのタピスリー 『千と千尋の神隠し』


昼食後は、愛知県美術館へと移動しました。
まず、愛知芸術文化センター12階ホールにて、「西の栖鳳・東の大観」と称される近代日本画のトップランナー・竹内栖鳳について、学芸員の方より解説を伺いました。幕末に生まれた栖鳳は、伝統を継承しながらも新たな技法や視点を意欲的に取り入れ、日本画の世界に革新をもたらしました。上村松園、土田麦僊など多くの後進を育て、教育者としても大きな足跡を残しています。
10階の美術館にて開催された「竹内栖鳳展」では、重要文化財《絵になる最初》(京都市美術館所蔵)をはじめとする名品が並び、見応えのある展示となっていました。
あわせて、愛知万博20周年記念の特別展示として、フランス・オービュッソンで織られた《千と千尋の神隠し》の巨大なタピスリーも公開されており、スタジオジブリ作品の世界観が圧倒的な迫力で表現されていました。
また、常設展では、クリムト《黄金の騎士》、ピカソ《青い肩かけの女》、フォンターナ《空間概念》、塩田千春《Endless line》など、国内外の名作にふれる充実した鑑賞時間となりました。


 

 

 



 

本旅行では、TADより江尻育世学芸員にご同行いただきました。移動中のバス車内では、訪問先の美術館の展示内容について、わかりやすく丁寧に解説いただき、参加者の皆様の鑑賞の一助となりました。また、先日終了した石岡瑛子展の舞台裏についてもお話しいただき、和やかな雰囲気の中、貴重な時間を過ごすことができました。江尻学芸員に心より感謝申し上げます。

帰路のバス内では、江尻学芸員にもご参加いただき、恒例のくじ引き大会で盛り上がりました。 大雨予報のなか出発しましたが、皆様の“善き行い”のご利益か、訪れた先々で雨が上がり、幸運に恵まれた一日となりました。 慌ただしい行程ではありましたが、終了後のアンケートでは「充実した内容だった」「また参加したい」といった嬉しいご感想を多くいただきました。ご協力くださった皆様に、改めて心より御礼申し上げます。
次回の友の会旅行でも、会員の皆様とご一緒できることを楽しみにしております。

 



 

富山県美友の会 事務局委員  高野百合子