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プログラム実施報告

おとな向け TADワークショップ(日本画家:髙島圭史さん)

2018/07/10

かけあし 日本画入門!
日 時:2018630日(土) 第1回(午前の部)10:0012:00、第2回(午後の部)15:0017:00
参加者数:40名(定員各回20名、高校生以上、事前申し込み)
会 場:富山県美術館アトリエ
撮 影:柳原良平
主な使用画材等:色紙、にかわ、胡粉、岩絵具など
概 要:現在活躍中の日本画家(日本美術院同人、富山大学芸術文化学部教授)、髙島圭史さんを講師にお迎えした日本画の入門講座。前半は、伝統的な日本画の画材や道具を切り口に日本画の魅力や楽しみ方を教わり、後半は、実際に日本画の画材や道具を使って色紙に白い馬の形を塗り、自由に模様や絵を描きました。



①はじめに

最初に、3色(赤、青、黒)の中から1枚、自分の描きたい背景色の色紙を選びます。


②日本画の魅力を「画材」と「作品」から紹介

髙島さんから、日本画の魅力について「画材」と「作品」から話をうかがいました。まず、線を塗ったり色を塗ったりする岩絵具の材料や、胡粉(カキなどの貝殻を粉状にした白い絵具)、金属の箔などの話。次に、絵の土台となる和紙や絹や板の話。和紙に絵具をくっつかせるためのにかわや糊の話。そして動物の毛から成り立っている筆や刷毛、ぼかすときに使用する何本もの筆を横につなげた連筆などの道具の話。高松塚古墳の壁画や当館所蔵の春草作品、髙島さんご自身の作品についても、スクリーンに投影した写真や実物を見ながら、貴重な話をお聞きしました。特殊な画材も多く、皆さん、とても集中して聞き入っていました。

③髙島さんのデモンストレーション

次はいよいよ制作体験です。とはいえ、皆さんにとっては、初めての画材ばかり。まずは髙島さんから、既に乳鉢で粒子を細かくした胡粉に、にかわ液を入れて、丁寧に団子状にし、それを平たくして、中指の腹のところを使って、描きやすいように丁寧に溶いていく様子を実際に見せてもらいました。その際、胡粉にはいくつか等級があり、中でも「とびきり」はその名の通り、上質な胡粉だと教えてもらいました。


④胡粉を塗ってみる

参加者の皆さんには、このワークショップタイトルの「かけあし」にかけて、「馬」を描いてもらいました。最初、あらかじめ馬の形に枠線が引いてある色紙に、髙島さんから教えてもらった日本画の「画材」の彩色筆を使って、胡粉を塗ります。




⑤岩絵具を溶いてみる

次は、髙島さんから、岩絵具の溶き方を見せてもらいました。参加者の皆さんも、各テーブルに置かれた岩絵具にさわってみます。緊張しながら、自分の塗りたい色の絵具を袋からお皿に必要な分だけ入れ、にかわ液と水を加えて、自分の指で溶いていきます。


⑥絵具で描いてみる、塗ってみる、そしてみんなで鑑賞会

面相筆を使って、先ほど胡粉で色をつけた馬に、岩絵具や棒絵具を使って好きな色や、思い思いの模様を描きます。だんだん要領を得てきて、自分の馬を仕上げていきます。あっという間に時間が経ち、しめくくりは完成作品を机に並べて鑑賞会です。髙島さんから、それぞれのいいところをお話しいただきました。解散後も、しばらく髙島さんと写真を撮ったり、感想や聞いてみたいことを話したり、「かけあし」でありながら、充実した日本画の入門ワークショップとなりました(続編の声も多く寄せられました)。


午前の部

午後の部