友の会TAD Friendship

活動報告

TAD学芸員による友の会会員のためのギャラリートーク
「瀧口修造/加納光於《海燕のセミオティク》2019」 (12月22日)

2020/01/16

12月22日、友の会は、富山県美術館で開催の企画展「瀧口修造/加納光於《海燕のセミオティク》2019」ご担当の遠藤亮平学芸員を講師に、会員の皆様に日ごろの感謝を込めたスペシャル・ギャラリートークを開催しました。当日は60名近い方にご参加いただき、誠にありがとうございました。今回、紙面をお借りし、当日の遠藤学芸員のお話の内容を一部、ご紹介させていただきます。
富山県美術館における瀧口修造の存在の重要さは皆様ご存知の通りです。トークでは、大きな年齢の開きがある詩人・瀧口修造と画家・加納光於の二人がどのように出会い、交流を深めたのか、また二人の交流が加納の作品にどのような影響を及ぼしていったかをテーマにとりあげ、時代順に具体的な作品を取り上げながらお話しいただきました。
なかでも、加納が、たまたま古本屋で見つけた銅版画の技法に魅せられ、独学で制作を始めていた初期の作品について、瀧口が「ヴィジョンと形象の完全な一致」と評し、応援したとのエピソードは、非常に興味深いものでした。加納の銅版画作品では、テーマが具象的なものから抽象的なものへ変わる過渡期の作品を取り上げ、加納が採用した実験的技法や、その後も繰り返し現れる「骨の鏡」という言葉について詳細な解説をいただきました。「骨」というキーワードは、1978年の瀧口との共作の詩画集にも登場する、最初から最後までかかわっている言葉でした。
加納は釣りが趣味で、クロダイ釣りに関しては名人で、魚釣りと氏の創作には浅からぬ関係、類似性があるようです。最後に、「加納さんは、言葉では伝えられないものを、色彩と形で伝えている」と伺い、改めて展示室をもういちど回ってみたいと思わされる、あっという間の一時間でした。
(富山県美友の会 事務局 西邨智子)