友の会TAD Friendship

活動報告

アートツーリズム2023
「注目の展覧会&京都・大阪を満喫する旅」

(10月31日~11月1日)

2023/11/13

1日目


・京都市京セラ美術館

「竹内栖鳳展 破壊と創生のエネルギー」   

「井田幸昌展 パンタ・レイー世界が存在する限り」

・相国寺承天閣美術館

「若冲と応挙展―1期」


 

4年ぶりの1泊アートツーリズムに33名の方が参加されました。

バスはまずクラッシックな様相の琵琶湖大津館に。ボリュームのあるランチを堪能し、秋とは思えない強い日差しの中、ハロウィンの飾りつけがしてあるイングリッシュガーデンを回りました。

次にバスは京セラ美術館に。まずは「竹内栖鳳展」を見ました。「東の大観・西の栖鳳」と言われ、近代京都日本画の礎を作った栖鳳の作品群。当時見た人に「獣の臭いがする」と言わしめた獅子の描写力。古い常識を破壊し、新たな地平を創生した栖鳳のエネルギーを十分に堪能できる企画展でした。もう一つ見た企画展が「井田幸昌展」。近くで見ると抽象絵画かと思うのに、離れれば顔が浮かび上がるという不思議な作品や、荒々しく削られ大胆に彩色された木彫彫刻など既定の枠を超えたエネルギーを感じさせる企画展でした。

更にバスは相国寺承天閣美術館に。円山応挙の「七難七福図巻」の凄惨な描写に息をのみ、伊藤若冲の釈迦三尊像と動植綵絵(コロタイプ複製)の美しさにうっとりしているうちに時間が経ち、次はお食事処「月の蔵人」に向かいました。品数も多く、お酒も入り、皆でおしゃべりしながらの楽しい時間でした。さすが酒処伏見らしく最後のデザートが酒粕のアイスクリームでした。

さて、お泊まりのホテルは千里阪急ホテル。万博当時建ったしっかりした造りのホテルのツインルームを一人占めし、疲れを癒しました。

 

 

 

 

2日目


・大阪中之島美術館

「生誕270年長澤芦雪展―奇想の旅、天才絵師の全貌―」

「テート美術館展(光―ターナー、印象派から現代へ)」


 

2日目はまずは住吉大社に。全国にある住吉神社の総本社であり、樹齢千年の楠のご神木などに悠久の歴史を感じながら、お参りしました。

いよいよ大阪中之島美術館に。ここで見たのが「ウィリアム・ターナー」と「長澤芦雪」。どちらを先に見ようか迷う豪華な企画でした。まずは無量寺の迫力のある虎に会い、愛らしい仔犬に癒され、一寸の紙に描いた五百羅漢の奇抜な着想や大胆な構図、人を驚かせようというサービス精神に感嘆し、彼の独自の世界観を堪能しました。時間がもったいなくて小走りで「テート美術館展」に。「光の画家」ウィリアム・ターナーと「風景画の名手」ジョン・コンスタブルを比較しながら鑑賞し、印象派のクロード・モネの作品や県美にあるワシリー・カンディンスキーやゲルハルト・リヒターの作品にも出会う充実した時間でした。巨大な黒い外観の美術館前に鮮やかな赤い鎧をまとった彫刻「シップス・キャット」が際立っていました。「困難に立ち向かう勇気を表している」という文言に「また会いに来たい」と思いながらバスへと急ぎました。

最後に中納言大阪駅店で豪華な伊勢海老料理を堪能し、バスに乗り込みました。

今回の旅行には富山県美術館学芸員の江尻さんが同行してくださり、バスの中で事前に企画展の説明をして頂きました。見学中にも気楽に質問に答えてくださり、楽しい鑑賞の助けとなりました。

夕方、予定を全部終え大阪を後にしました。添乗員さんの「もうすぐ太陽の塔が~」の声に右窓にライトアップされた塔を見て皆で歓声を上げたり、県美のグッズがあたるくじ引きや仲間同士のお喋りを楽しんだり、サービスエリアでお土産を買いこんだり、疲れでちょっと眠ったりしながら、一路富山に。

少し欠け始めたお月様に見守られながら無事富山につきました。

お仲間と芸術の秋・食欲の秋を堪能した楽しい2日間が終わりました。(事務局員 余川とも子)