友の会TAD Friendship

活動報告

会報プリズムvol.74より(2013年10月30日発行)他館見学会2013 福島の美の旅 プライスコレクションを観にゆく

2013/10/30

プライスコレクションを堪能!福島の美の旅 プライスコレクションを観にゆく

 「若冲が来てくれました展」を観に行く旅が計画された案内状が送られてきた時、飛びつくような喜びであった。テレビで東北大震災支援のため、プライスコレクションが三県で展示されると報道されたので仙台へ観に行こうかと考えていた矢先、連絡があり、若冲の六曲一双の白い像が観られると嬉しくなった。
 さて、一日目、諸橋近代美術館を見学。この美術館は二度目であって、ダリの有名な髭のポートレートの入場券。この口ひげは八十歳過ぎてもあのままだったのだろうかと思いながら、木の枝に柔らかくかけてある時計を後ろから見るとインタルゲンション・マークになっているので、ダリの時間の観念を感じ得ずにはおられない。ダリはなぜこんな時計の形状にしたのだろうか。子供が見たら驚き、面白がり、喜ぶだろうか。私はそろそろ人生の終焉にお差しかかっているので、いい加減な人生を過ごしてきたようなと疑問を感じている。二度もダリの時計を観て、またダンテの神曲を鑑賞できたことはさいわいであった。

諸橋近代美術館の前で記念撮影

 次の日、福島県立美術館に到着した時、車窓から蛇(じゃ)の如く長い行列を見て驚いた。これほど人気があるのか、いったい最後尾はどのあたりなのか、と心配したがその心配もなく学芸員の方のご配慮で特別に入場ができ展覧会を見ることができた。若冲以外にも江戸絵画を拝見、早速あの白い像の前に立つ。なんと不思議な絵なんだろう。あの升目の中に色彩豊かに描かれていて、若冲という画家はどんな心根を持っている人なんだろう、と思いながら描かれている動物の数を六十有余まで数えたが今だはっきりしない。その他、いい絵が展示されている中で一枚気に入った絵は、伏見人形図である。六体の人形が目を葉っぱのような物で隠して並んでいる絵は摩訶不思議、その人形の心を見る者に想像させようとするとは、また如何に…。

ダリが制作した彫刻作品の解説を聞く参加者

 その日の午後から郡山美術館にゆく。この美術館の門から玄関までのアプローチは何とも言えない情緒があった。石で造られた庭園で、私には秋風に波立つ海面を見ているようで、侘びしそうな趣きを感じられ、何となく心に残っている。  最後になりましたが食事会もよかった。「わっぱ飯と祝言そば」の女将さんの話の語り口が何ともいえない面白みがあった。レストランにも弁当にもずいぶん気を使ってくださったのでしょう感謝します。毎年美術館の旅行会を楽しみしているひとりです。
(一般会員 竹内知子)

福島県立美術館に到着すると既に大行列が!