友の会TAD Friendship

活動報告

会報プリズムvol.75より(2014年3月31日発行)会員のつどい 高木新会長と「ギャルリ・ミレー」を楽しむ

2014/03/31

高木新会長と「ギャルリ・ミレー」を楽しむ

ギャルリ・ミレー

 「ギャルリ・ミレー」は、ギャルリ・ミレー運営委員会(委員長は富山近美の雪山行二館長)が、富山市の中心市街地の活性化を目指すため非営利の社会貢献活動として、2012年9月1日に開館した富山で最も新しい美術館です。 
 所在地は、富山市の繁華街である中央通りに面し、北陸銀行本店からワンブロック東側(立山連峰の方向)へ約100m離れた北側にある「ルシーダタワー」(マンションとしては富山市で一番高い18階建て)の1階部分にあります。収蔵作品は、ミレーをはじめコロー、ドービニー、デュプレなど、バルビゾン派の作品と、写実主義の先駆者であるクールベの作品など、合わせて53点です。
 当日は、入り口を入って左側の企画展示スペースに、富山県を代表する郷土作家である大島秀信や林清納等による県内の名所や行事を描いた小作品が15点程展示され、富山県色を強く印象付けていました。奥に常設展示室があり、53点の中から23点の作品を“都会の魅力”“農村の美”“ミレーの見た都会”“都会でのミレー”“バルビゾンの村”という5つのテーマに分けて展示しています。特に私の興味を引いたのは、ポール=デジレ・トゥルイユぺールの「裸婦、ジャン=フランソワ・ミレーの「羊の毛を刈る女」と「牛に水を飲ませる農婦」の3点です。いずれも対角線と黄金分割が駆使された構図になっており、裸婦の首下から膝へかけての人体が作る、ゆったりとしたボリュームのある体躯がかもす線、あるいは、白い被り物をした羊の毛を刈る農婦の頭と、毛を刈るために握り締められた大形の握りバサミの刃部と、羊の揃えられた後足を結ぶ幅のある線、そして、水を飲む牛の視線から、首、肩、たくましい背中と、農婦の頭を結ぶ直線、それらが画面の中に揺るぎもなく収まっている美しさに感動しました。
 また、美術館の中央通り側のウインドウには、山梨県立美術館所蔵の「種をまく人」」などの原寸大の複製が飾られ、豊かな自然の中で、神に感謝して生きる人々の生活が見て取れました。この複製画は、福井県に本社があり、繊維品の染色加工や繊維製品の企画製造をしているセーレン(株)の技術によるとのことでした。その際に髙木会長より、セーレン(株)で複製の製作に携った担当の技術者が、原画の細部の色と形を詳細に再現するために、山梨県立美術館へ足繁く通い、「種をまく人」の前で、ガラスに目をこすりつけるようにして毎回、熱心に鑑賞していたので、警備の人から要注意人物としてマークされたというエピソードが披露され、場が和むと同時に、改めてその完成度の高さに感心しました。

コンフォルターブル

 そんな髙木会長の面白い裏話などを伺いながら、次の昼食場所「コンフォルターブル」へと移動し、昼食会になりました。29人の参加者が、テーブル席21人とカウンター席に8人と分かれて、ようやく着席終了。まず、事務局から今回の企画の趣旨の説明があり、続いて髙木会長の挨拶、雪山館長の乾杯で始まりました。乾杯には、髙木会長にお持ちいただいたクリムトの絵がデザインされた珍しいスパークリングワインとロゼが提供されました。その後、下記に示す料理に合わせて、17世紀のフランスの著名な詩人「ラ・フォンテーヌ」の名を冠し、ラベルにイソップの名場面、「ウサギとカメ」と「キツネとカラス」がデザインされたシャンパン、シャルドネが美味しいシャブリのマグナム1996、今年の新酒の無濾過純米吟醸酒、山田錦で醸された純米大吟醸酒2010、ボルドーのカベルネのマグナム1986、レギュラーサイズの1978等が回され、食後のデザートにはコニュックのブランデーが出て、美味しい料理と酒と会話に、皆さん大いに満足されたようです。
 最後に、閉会の辞を雪山館長にして頂き、大盛況のなか2時半過ぎに閉会となりました。
(事務局長 山田茂)

献立
1.甲箱蟹と人参のムース・コンソメジュレがけ
2.河豚・甘エビ・ヤリイカ・生ウニのカルパッチョ
3.皮付きヤングコーンの姿焼き・塩とオリーブオイル
4.ホタルイカとホワイトアスパラ・和風タプナード炒め
5.ノドグロのソテー・トウモロコシと銀餡掛け
6.鰤のクイックスモーク・林檎と根セロリと共に
7.68℃で6時間火入れした牛ヒレ肉・醤油とフォンドヴォーのソース
8.ひと口カレーライス
9.練乳のブランマンジェ苺のソルベ添え