活動報告
会報プリズムvol.75より(2014年3月31日発行)会員のつどい 桝田隆一郎さんと歩く岩瀬のまち 伝統家屋で生まれる芸術
2014/03/31
桝田隆一郎さんと歩く岩瀬のまち 伝統家屋で生まれる芸術
この日は曇っていましたが、暑すぎず、寒すぎずで、散策するのには、ちょうど良い感じ。まずはライトレールの東岩瀬駅に集合です。赤いライトレールが、私たちのすぐ目の前を通り過ぎて行きました。岩瀬の街づくりの立役者である桝田さんの案内は、このライトレールから始まりました。若い女の子の間では、赤いライトレールを見ると、恋が叶うといわれているとか。この日の参加者は私も含め、それ相応の年齢の既婚者がほとんど。「まあ、いま、恋が成就しても困りますが」と、笑いを誘ってなごやかに始まりました。
岩瀬は、普通に生活している家と商店が混在しているので、あまり大勢の観光客の方に来られることは望んでおられないとのこと。街並みを整えているのは、観光のためだけでないという、奥の深いお話しなどを聞きながら歩いているうちに、大町新川町通り(旧北国街道)に到着。明治期に建てられた家屋が多く残っている回船問屋群のある街並みです。出格子に「簀虫籠(すむしこ)」と呼ばれる簾(すだれ)状の格子がしつらえてあるのが、岩瀬の伝統的家屋の特徴だそうです。ここでは、民家だけでなく、新聞販売店や、銀行なども街並みにとけこむ昔の姿にリフォームされています。
簀虫籠の出格子のある釣具店。目を引いたのは、そのお店の前にある。自動販売機。桝田さん曰く、案内していると、皆さんここで、カメラを取り出すとのこと。そうでしょうね!誰もがビックリの“生エサ自動販売機”です。夜釣りに来た釣り人たちが、これでエサを調達していかれるのでしょうか?
船底を利用した板壁のある民家があったりもします。また、伝統的家屋の修復再生に市からの補助金を利用する場合は、壁の色など、事細かく指定があるというお話。さらに、気軽に見学ができ、興味を持った人を工房のアーティストとつなげるようなギャラリーをつくりたいなど、これからのことも聞かせていただきました。
もちろん、たくさんの酒瓶が並ぶ「桝田酒造店」さんの酒蔵にも、案内をしていただきました。そして、いよいよ、アーティストさん達のところへ。
ガラス作家の安田泰三さん・越中瀬戸焼作家の釋永岳さん、木工彫刻の岩崎努さん。それぞれのギャラリーや工房を訪問。とても繊細で素敵な作品ばかり。伝統家屋を修復再生し、外見はもちろん屋内も趣のある建物で作品を創作され、展示されています。
桝田さんの、案内の最後は、「酒商 田尻本店」。回船問屋の土蔵を改修した中にあり、入り口は、大きな土蔵の扉。中に入ると、まず目に飛び込んできたのは、細長いガラス張りの部屋。その中には商品のお酒が棚にズラリと並べられ、冷蔵保存されていました。お客さんは、その部屋に入り、自由に選んで購入するというシステムになっています。
この後、少し遅い昼食は、「丹生庵」さんで手打ち蕎麦をいただきました。その際、桝田さんから、お味見用に、お酒も数種類用意されていて、おいしく飲ませて頂きました。そして、蕎麦屋のご主人の歌と、ギターやピアノの生演奏も!
ここで解散となり、楽しい一日を過ごしてきました。
(一般会員 野崎まゆみ)