友の会TAD Friendship

活動報告

会報プリズム Vol.79より(2016年3月10日 発行)ひよこツアー報告

2016/03/10

ひよこツアー報告
 美術館に小さな子どもを連れて行きたいけれど、「静かに見てくれるかな」「うるさくてしても大丈夫だろうか」などと、出かけられないでいる親御さんたちに、気軽に親子でアートに親しんでもらいたいと、平成27年度も125日は23歳児、1213日は4~5歳児を対象に、ひよこツアーが開催されました。
 美術館の展示室の中を子どもたちと手をつないで、作品を見ながらめぐります。子どもたちのはじめての美術鑑賞体験です。展示室をひとまわりすることで、日本ばかりでなく、世界のアートのシャワーを浴びるのです。
 作品に触ったり、ぶつかったりしないよう、まず展示室に入る前に子どもたちと三つの約束をします。「さわらない」「走らない」「騒がない」です。元気な子どもたちにはむずかしいかな。「アッ」という間もなく、触られそうになることもあります。作品も守りたい、でも見せたい、たくさんの作品にあわせたい。
 学芸員さんがピカソの絵《闘牛場の入口》の前で「この絵には何が描かれていますか」「この動物は?」「まだ他に動物はいますか?」とたずねます。子どもたちは真剣な目をキラキラさせてじっと見つめる。学芸員さんのたくみな誘導で、いつの間にかピカソの絵の世界の中に入っていく。ピカソの絵との初体験です。
 ウェッセルマンの《スモーカー♯26》の絵を、じっと立ち止まって見ている子、何を思い、何を感じているのだろう。「美しいもの」「おもしろいもの」「不思議なもの」。いろいろなものに見て触れて、豊かな心を育ててほしい。
 美術館には、枠にとらわれない偉大な芸術家たちの作品が所狭しと並んでいます。自由な心を持っている子どもの内に、できるだけたくさんの作品に親しんで、宝物いっぱいの美術館を「大好き」になってほしいと思いました。 
(ボランティア 富岡博子)