活動報告
会報プリズム Vol.79より(2016年3月10日 発行)アート・チャット in プリズム
2016/03/10
アート・チャット in プリズム
「美術館をもっと楽しむため、作品の様々な楽しみ方を共有するため、『アート・チャット in プリズム』を開催します。今回は、木曜日の当番のボランティアにより…云々」こんな書き出しの案内状が発送された。それより2ケ月前、早速「チーム・木曜日」全員集合で、取り上げる作品の選定、当日の役割分担等が話し合われた。作品は4点。司会はTさん、進行係はKさん、記録係はT’さんとI 。
そしていよいよ当日(10月29日<木>)、常設Iには約20名のボランティアの皆さん。ボランティア代表の挨拶に続き、司会のTさんが取り上げる作品名を発表。そして、進行係のKさんと共に作品の前へ。
先ずは、岡田謙三の《赤》と篠田桃紅の《触》。二人は、ニューヨークで交流があったという繋がりで、セットで取り上げてみた。皆さんから自由な感想が述べられる。「岡田はアメリカに行っても『ユーゲニズム』で勝負した」「当時、女性一人で渡米して来た篠田を助けてあげなければ…」「103歳で現役の篠田ってスゴーイ!!」等々。
次にグンター・ダミッシュの《真ん中の黄色いカスカーデ》の前へ。カスカーデとは幾条にも分かれて落ちる小さな階段状の滝のことらしい。「色がとてもキレイ」「細胞とかウィルスみたい」『滝』は80年代の芸術の変な流れを食い止めようとしたのでは…」等々。
次は、浜田知明の彫刻《風景》。ヘルメットを被った頭蓋骨が寝かされている。その上の地面に銃が立てられていて、明らかに墓標に見える。頭蓋骨の目から新芽が伸びている。「眼孔から新しい生命が…」「岡本喜八の映画『独立愚連隊』」「目から愚かな世界を見ているのかも…」等々。
以上で予定の作品鑑賞は終わったが、最後に河口龍夫の作品についてチョットおまけ…。《関係―種子、土、水、空気》の土・水・空気がそれぞれ真鍮、銅、アルミの管状のものに入れられて、壁に立て掛けられている。その内の1本だけ長さが数センチ短い。その理由を河口先生ご本人に尋ねたところ、「アー、あれは、溶接の関係で、深い意味はないよ…」とのこと。それを皆さんにお伝えして閉会。
「チーム・木曜日」いつもの活動とは一味違った、心地よい緊張感を味わいながらの「アート・チャット in プリズム」でした。
(ボランティア 井上みき子)