友の会TAD Friendship

活動報告

会報プリズム Vol.78より(2015年9月30日 発行)原田マハ氏講演会と会員のつどいに参加して

2015/09/30

原田マハ氏講演会と会員のつどいに参加して
「原田マハさんが、富山に来る!」正直、自分の目を疑ってしまいました。
市立図書館で、ちょうどマハさんの本を読んでいる時、ふと見上げた目に飛び込んだ「原田マハさん講演会」のチラシ。半信半疑で手に取ると、さらに衝撃が。チラシの一番下に、小さな文字で「会員の集いで、マハさんとの会食も・・・」と言うお知らせ。
 映画好きで、「キネマの神様」と言う小説を読んで以降、マハさんの大ファンとなった私が、これを見逃がすハズがありません。転勤で富山に来て丸3年。近代美術館の存在は知っていても、未訪問でしたが、このチラシに接した事を運命的に感じ、即、その足で近代美術館に直行。「是非とも!」という感じで入会した次第です。
 講演会当日は、どうにか整理券も入手でき、はやる気持ちを抑え、確実にマハさんの姿が拝める、なかなかのポジションを確保!会場に入れなかった方も随分おられた様で、やはり「今回の自分はツキがある!」と運命を再確認。そんな満員の会場がにわかに騒つく中、真白な服に身を包んだ清楚なマハさんが登場。「大歓声と割れる様な拍手の中」と言いたいところですが、そこは流石に美術館に集まる方々。大人の対応が出来る人ばかりで、「感嘆の声と、優しい拍手の中」講演会が始まりました。
 初めて目にしたマハさんは、私の勝手なイメージの通り、清楚そのものだったのですが、大きくイメージを覆された事があります。とても饒舌で話が面白い方だったのです。MoMAにお勤めの経歴からも、「専門的な難しい話かも?」と芸術音痴の私としては、若干ビビっていたのですが、ものの1分でその不安は消し飛び、面白い話に引き込まれて行きました。キュレーター時代の話、「楽園のカンヴァス」の裏話、そして、現在執筆中という、高岡出身の林忠正の話。どれも、豊富なエピソードを、時折さり気なくジョークを交え、流れる様な語り口で優しく話す姿は、さながら「知的な漫談家」かと思うほど。マハさんのファンでなくても、この講演会で一気にファンになった方も居られるのではないでしょうか。それくらい、何とも幸せな気持ちになる、心地よい印象的な講演会だったと思います。しかし、私の愉しみはまだまだこれから。
 講演後に場所を変えて行われた会食。正直、マハさんを目にするだけで感激だったのですが、その場でお話できるかも!なんて考えただけで夢のようでした。会食の席でもマハさんは、参加した会員の皆さんと楽しく談笑して下さり、気さくな人柄全開でした。私は緊張でかなり固まっていたのですが、周りの方の後押しもあって、憧れのマハさんとの会話を楽しむ事ができました。
 さらには、マハさんとのひと時は、もちろん感激で最高だったのですが、プラスして、初めてお会いした他の会員さんや、美術館の学芸員さんとの出会いが、とても有意義でした。
 マハさんがおっしゃる「アートは人生を豊かにしてくれる」を普段の生活で感じている方々と触れ合えた様で、アットホームな場でありながらも、とても刺激的な時間を過ごす事ができました。運命的な「チラシ」から、とても素敵なプレゼントを頂いたような1日でした。
(一般会員 富永 努)