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プログラム実施報告

アーティスト@TAD 「山山山山アニメーション・ワークショップ」

2020/02/01

「山山山山アニメーション・ワークショップ」
実施日: 1回目:2020年1月19日(日)/ 2回目:2020年1月25日(土)
時 間: 14:00~16:00
場 所: アトリエ、ラボ
講 師: 蓮沼昌宏(はすぬま・まさひろ)さん
参加者数: 1回目 9名(保護者含め19名)/ 2回目 8名(保護者含め15名)(事前申込み)
参加費: 無料
使用材料: アクリル絵の具、画用紙(背景用:260×730(mm)、モチーフ用:A4判)、A4のコピー用紙(作品タイトル用)、色鉛筆、鉛筆、消しゴム、クレヨン、ポスカ
使用道具: ナイロン製絵筆、水入れ、マスキングテープ、はさみ
撮 影: 柳原良平さん(2回目のみ)
概 要: アーティスト@TAD滞在作家である蓮沼昌宏氏を講師に迎え、コマ撮りアニメーションの制作を体験するワークショップを開催しました。

 

講師紹介
蓮沼昌宏(はすぬま・まさひろ)(画家・記録写真家)
1981年東京都生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科美術解剖学研究室博士課程修了。現在、愛知県を拠点に活動。
イメージの自律性、夢の不思議さに関心を持ち、「キノーラ」によるアニメーションを中心に、写真、絵画を制作する。
近年の主な展覧会に、「第8回 新鋭作家展 あ、これ、ウチのことです。」(川口市立アートギャラリー・アトリア、埼玉、2019)、「21th DOMANI・明日展」(国立新美術館、東京、2019)、「数えることによって獲得するもの」(gallery N、愛知、2019)、「瀬戸内国際芸術祭」(香川、岡山、2019/2016)など。

 

活動のながれ
①はじめに

まずは講師の蓮沼さんから、アニメーションの制作手順についてレクチャーを受けます。今回は1枚の背景の上で2つのモチーフを少しずつ動かしながら都度コマ撮りし、ひとつにつなげたものをアニメーションとして再生するというもの。コマ撮りしたものがどんな風に映像となって動くのか、実際の見本を使って説明してくださいました。

 

②背景を描こう

タイトル名に「山」が4回も入っているとおり、今回のワークショップは立山連峰からもヒントを得ています。背景を描くための画用紙も、山々の連なりを思わせる横長の形となっています。制作場所であるアトリエは立山連峰を臨む特等席ということもあり、山や環水公園などを眺めながら描く姿も多くありました。他にも山だけではなく、宇宙や庭、室内など想像上の場面を設定する方もいらっしゃいました。

 

③モチーフを描こう

アニメーションで動かすモチーフは、A4サイズの画用紙に2つまで制作できます。生き物や惑星、サッカーゴールなど、物語を想像しながら描いたら、はさみを使って画用紙から切り取ります。
前段の背景の制作に時間がかかった人は、モチーフを大急ぎでつくります。限られた時間のなかでそれぞれ制作に打ち込む様子は、さながら本物のアニメーターのようでした。

 

④タイトルを書こう

アニメーション冒頭の作品タイトルも、重要な1コマです。背景とモチーフまで出来たら、A4用紙に作品のタイトルと監督名(制作者の本名/ ペンネーム)を書いて撮影に臨みます。

 

⑤コマ撮り撮影をしよう

撮影できるコマ数は、タイトル1コマとアニメーション10コマの計11コマ。アニメーションの制作にはストーリー構成も非常に重要になってきます。限られたコマ数の中で、2つのモチーフがどんな風にであい、あるいはすれ違うのでしょうか。参加者はストーリーを思い浮かべながら、背景の上でモチーフを動かしながら位置を決め、都度蓮沼さんにコマ撮りしてもらいます。実際に撮影してみると、当初予定していなかったストーリーが展開することもありました。

⑥鑑賞会

全員分の撮影が終わったら、みんなの制作したアニメーションをアトリエのスクリーンに映して鑑賞します。同じ時間・同じ場所で制作していても、出来上がる作品は十人十色。
まずは全員分の作品をひととおり鑑賞した後、蓮沼さんによる各作品の講評を聞きます。その後、ひとつずつゆっくり再生しながら、作品の面白さや工夫されている点、撮影時のこぼれ話など丁寧にお話してくださいました。参加者たちは他の人の作品鑑賞に留まらず、その制作状況にも興味津々に聞き入っていました。

 

制作風景・参考作品