友の会TAD Friendship

活動報告

会報プリズム Vol.81より(2017年2月1日 発行)バックヤードツアー報告

2017/02/01

バックヤードツアー報告
 9月10日、移転を機に企画された最初で最後の「富山近美友の会バックヤードツアー」に参加しました。会員限定の企画とあって、当初予定された2回分の申し込みはすぐに満員となったそうです。申し込みに間に合わず残念に思っていたところ第3回目の開催の知らせが届き、受付開始日に急いで申し込みました。今回集まった約30名はそんな思いをした会員たちなのだろうかと想像します。
 ツアーでは搬入口、空調設備室、運搬用エレベーター、収蔵庫、美術館の屋上等を案内していただきました。作品を載せたトラックをつけるガレージでは天井で大きな排気ダクトが音を立てて作動していました。シャッターの開閉も外気や排ガスが直接館内に入りこまないよう細心の注意がはらわれていました。作品運搬用のエレベーターは開館当初からのものだそうですが、参加者全員を載せても振動を感じません。目を閉じるとまるで自分が彫刻作品になった様な気持ちを味わえました。海外の美術館ともなると運搬のトラックごと昇降できるエレベーターもあるとのことでスケールが違います。新美術館では最新のものになるそうです。いったいどんな乗り心地なのでしょう。
 収蔵庫にも館内の空気が直接入り込まないように前室が設けられていました。一定に保たれている温度や湿度に変動があってはいけないので、こちらは外から眺めるだけ。
 屋上に出て眺望を楽しんだあと、にじり口のような入り口からドーム部分の内側へと通されました。ぐるっと一周しながら常設・企画展示室を見おろすことができました。ドームはいわば近代美術館の象徴的な場所。一度のぼってみたいと思っていたので嬉しかったです。
 美術館を守る多くの人の働きがあり、来館者が目にすることがない場所でも30数年の月日が流れていたのだと今回実感しました。美術館の裏側をみてみたい。そんな声に耳を傾けてくれた美術館に感謝します。
(一般会員 宮田美佐子)