展覧会・イベントExhibition & Event
過去の企画展
わたしはどこにいる? 道標(サイン)をめぐるアートとデザイン
2019年3月9日(土)~5月19日(日)
「サイン」とは、人を目的地に導く目印のこと。普段意識することは少なくても、駅や空港、商業施設、美術館などのあらゆる場所に、標識や案内板、矢印やピクトグラムといったさまざまなサインが存在しています。一方で、「人生の道標(みちしるべ)」という表現があるように、場所やそこに至る道程は人間の生き方とも分かちがたく結びついています。
本展では「サイン=道標」に注目し、グラフィックデザイナーによるサインデザインと、場所との関係性を追究した現代美術作品をあわせてご紹介します。本展出品作品を通して、人間がどのように場所や空間を理解し、伝えようとしてきたのか、そしてその中でめぐらされる「わたしはどこにいる?」という問いに、「アート」と「デザイン」の双方から迫ります。
展覧会情報
会期 | 2019年3月9日(土)~5月19日(日) |
---|---|
開館時間 | 9:30〜18:00(入館は17:30まで) |
休館日 | 水曜日、3月22日(金)、5月7日(火)※4月25日(木)~5月6日(休・月)は無休 |
観覧料 |
一般:900円(700円)、大学生:450円(350円)、一般前売り:700円
|
場所 | 2階 展示室3、4 |
主催 | 富山県美術館、富山新聞社、チューリップテレビ |
プロフィール
秋山さやか(あきやま さやか)(現代美術作家)
1971年兵庫県生まれ。神奈川県在住。2001年、女子美術大学大学院美術研究科修士課程修了。国内外さまざまな土地を巡り制作を続けている。地図などに自らの行動を一針一針縫い付ける、旅先で出逢ったものを集めつなぎ合わせるなど、自己と場所の関係性を色濃く反映する独自の表現を追求。近年の主な展覧会に、さいたまトリエンナーレ2016、日産アートアワード2015、「始発電車を待ちながら」(東京ステーションギャラリー、2012)など。主な作品収蔵先に、東京都現代美術館、サンドレット・レ・レバウデンゴ財団美術館(イタリア)など。第21回タカシマヤ美術賞(2010)受賞。
色部義昭(いろべ よしあき)(グラフィックデザイナー/アートディレクター)
1974年千葉県生まれ。東京藝術大学大学院修士課程修了後、株式会社日本デザインセンターに入社。原デザイン研究所の勤務を経て、2011年より色部デザイン研究所を主宰。東京藝術大学非常勤講師。グラフィックデザインをベースに、平面から立体、空間まで幅広くデザインを展開。近年の主な仕事にOsaka MetroのCI、国立公園ブランディング、草間彌生美術館、市原湖畔美術館、天理駅前広場Cofufunのサイン計画など。SDA、JAGDA、東京ADC、D&AD、One Show Designなど国内外のデザイン賞を受賞。AGI会員(国際グラフィック連盟)、東京ADC会員、JAGDA会員。株式会社日本デザインセンター取締役。富山県美術館サイン計画デザイナー。
葛?西薫(かさい かおる)(アートディレクター)
1949年札幌市生まれ。文華印刷、大谷デザイン研究所を経て、1973年(株)サン・アド入社。主な仕事に、サントリーウーロン茶中国シリーズ、ユナイテッドアローズ、虎屋の広告制作およびアートディレクションのほか、サントリーのCI、六本木商店街ネオンサイン、映画・演劇の宣伝制作、装丁など活動は多岐。朝日広告賞、東京ADCグランプリ、毎日デザイン賞、講談社出版文化賞ブックデザイン賞、日本宣伝賞山名文夫賞など受賞。近作に「TORAYA CAFÉ・AN STAND」のCI・パッケージデザイン、『クレーの日記』(みすず書房、2018)の装丁など。著書に『図録 葛西薫1968』(ADP、2010)。
康夏奈(こう かな)(現代美術作家)
1975年東京都生まれ。2002年広島市立大学芸術学部デザイン工芸学科卒業。2017年より広島市立大学芸術学部彫刻科非常勤講師。山に登る、海に潜るといった身体的体験や記憶をもとに、自身を取囲む自然の風景を素材として、時間や空間、宇宙についての制作を試みる。近年の主な個展に「コズミックカクタス」(アートフロントギャラリー、東京、2016)、「プルメリアに映る雪」(モエレ沼公園ガラスのピラミッド札幌、2015)、主なグループ展に「土木展」(21_21 DESIGN SIGHT、東京、2016/藝倉美術館、上海、2018)、「MOTアニュアル2014:フラグメント――未完のはじまり」(東京都現代美術館、2014)、瀬戸内国際芸術祭2013など。
佐藤修悦(さとう しゅうえつ)(警備員)
1953年岩手県生まれ。三和警備保障に所属する警備員として、現在JR新宿駅に勤務。2003年、JR新宿駅の工事現場で勤務のかたわら、現場にあったガムテープを用いた案内標識をつくり始める。ガムテープを縦横に貼りめぐらせ、角に丸みをつけた独自の字体がインターネット上や口コミで話題となり、「修悦体」として知られる。2007年よりJR日暮里駅に勤務、改装工事時の案内表示を制作。映画『まぼろしの邪馬台国』(2008)をはじめ、広告やCDなどの題字も手がける。近年の展覧会に、「文体の練習」(鞆の津ミュージアム、広島、2018)など。著書に『ガムテープで文字を書こう』(監修、世界文化社、2009)。
田村友一郎(たむら ゆういちろう)(現代美術作家)
1977年富山県生まれ。熱海市および京都市を拠点に活動。日本大学芸術学部写真学科卒業。東京藝術大学大学院映像研究科博士後期課程修了。ベルリン芸術大学空間実験研究所在籍(2013-14)。映像や美術といった旧来のカテゴリーにとらわれない、独自の省察の形式を用いることによって、観客との間に新たなコミュニケーションを生み出す。近年の主な展覧会に、「六本木クロッシング2019展:つないでみる」(森美術館、2019)、釜山ビエンナーレ2018、日産アートアワード2017、「試論:栄光と終末、もしくはその週末 / Week End」(小山市立車屋美術館、栃木、2017)、「BODY/PLAY/POLITICS」(横浜美術館、2016)など国内外多数。
廣村正彰(ひろむら まさあき)(グラフィックデザイナー)
1954年愛知県生まれ。田中一光デザイン室を経て、1988年廣村デザイン事務所設立。グラフィックデザインを中心に、商業施設や美術館などのCI、VI計画、サインデザインを多く手がける。多摩美術大学客員教授、一般社団法人ジャパンクリエイティブ代表理事。主な仕事に、日本科学未来館、横須賀美術館、9h(ナインアワーズ)、すみだ水族館、あべのハルカス、台中国立歌劇院、名古屋城本丸御殿、そごう・西武、ロフトのアートディレクション他。毎日デザイン賞、KU/KAN賞、SDA大賞、グッドデザイン金賞など受賞。近著に『デザインからデザインまで』(ADP、2015)。